• 8月 11, 2024
  • 8月 18, 2024

2回目の熱性けいれんが起きるかも思うと、発熱するたびにドキドキしますという方へ

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

今回は熱性けいれんのお話し第2弾です。以前のブログでも書いたように、親として子どものけいれんを二度と見たくないという思いはとってもよく分かります。外来では今後もけいれんするでしょうかと聞かれることも多いです。そんなドキドキする方へ、今日は確率・予測についてです。

今回の内容の要点をまとめると、

①2回目の熱性けいれんが起こる確率は通常は1回目とあまり変わりありません。

②2回目のけいれんが起きやすい因子はあるので予想は出来ます。

前のブログでもあるように熱性けいれんは良性疾患です。日本では諸外国より熱性けいれんの有病率は高く、だいたい7~11%と言われています。つまり10人に1人は熱性けいれんを起こしたことがあります。全然違う風邪をひいた時に2回目の熱性けいれんを起こす確率はリスクのない方で15%程度と言われているので、今までに2回熱性けいれんを起こした方は、だいたい100人に1人~2人くらいということになります。確率としては少なく感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも1回目の熱性けいれんがあった時に、この子は将来的に2回目が起こる可能性が高いですよと予測できる因子があります。それは、

1)両親いずれかの熱性けいれんの家族歴

2)1歳未満で1回目の熱性けいれんがあった子ども

3)発熱から直ぐにけいれんした子ども(概ね1時間以内)

4)けいれんした時の体温が低い子ども(39℃以下)

の4つになります。熱性けいれんは通常、発熱後6時間~24時間で起こすことが多いので、けいれんしてから発熱に気付いた場合などは、今後もけいれんする可能性がありますねとお伝えする時もあります。

私は幼少時に2回熱性けいれんを起こしたことがありますし、自分の子どももけいれんする可能性は高いかなと思っていました。医学的な知識はありますが、親として子どものけいれんでドキドキする気持ちも分かりますので、次回は熱性けいれんの治療について考えたいと思います。

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