• 8月 25, 2024

すべすべの皮膚をあきらめないでください!一緒に伴走していくような治療を目指します。

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

今回はアトピー性皮膚炎や湿疹など皮膚トラブルの治療についてです。塗り薬を正しく使いスキンケアをすると改善する場合も多いですが、中々よくならなかったり、一時的に改善しても直ぐに悪くなったりするので前向きな気持ちになれないこともあります。特に子どもの場合はご家族が薬を塗って頂くことになるので苦労もあるかと思います。私はお薬を処方して終わりではなく、苦労を分かち合いながら皮膚がきれいになるのを喜ぶ、一緒に治療していく気持ちが重要であると考えています。

今回の要点は、

①治療の基本はお風呂で汚れをしっかり落として、そのあと薬をしっかり塗るです。

②体の中でも薬が効きやすいところと効きにくいところがあるので、意識しながら治療を行うことが重要です。

よく薬を塗るタイミングについて相談を受けますが、理想と現実があり中々難しいものです。治療は短距離走ではなくマラソンに例えられることもあり、良い状態を維持することが重要にもなります。このため時間的に継続が難しい治療よりも、無理なく続けられる治療を行うことが大切です。自分も経験がありますが、朝は色々バタバタしていて薬をゆっくり塗る時間もなかったりします。このためとりあえずは、「お風呂で汚れをしっかり落として、そのあと薬をテカテカになるまで塗る」と言ったことをお伝えしています。本当に意外と薬は多く塗らないといけなくて、経験的には頻回に塗るよりも、1回量をしっかりと塗る方が効果があったりします。これを意識するだけでも、劇的に効果が変わる時がありますので、何度も言いますが「汚れを落としてしっかり塗る」を第一に心がけるようにしてください。

薬の効果も部位によって差があります。お顔や陰部が最も治りやすく、そのあと体幹、手足の順番に薬が効きづらくなってきます。皮膚の吸収率が関係しており、皮膚の部位によって軟膏の強さを変える時があります。処方する時にはなるべく分かりやすく、あまりに細かい使い分けはせずに済むように心がけています。他の部分は良くなったのに足首の関節だけ治りが遅いなどはよく経験します。これは自然なことですので、諦めずにしっかり治療していきましょう。

☆代表的なステロイド軟膏

1群:最も強い(strongest) デルモベート、ダイアコート など

2群:とても強い(very strong) リンデロンDP、アンテベート、フルメタ など

3群:強い(strong) ボアラ、エクラー、フルコート など

4群:普通(medium) ロコイド、キンダベート、リドメックス など

5群:弱い(weak) プレドニゾロン など

ステロイド軟膏も適切に使用すれば、強い軟膏だから怖いということはありません。理解はしても気持ち的に難しいこともあるかと思いますので、ステロイドが入っていない軟膏もあります。やはり個々の状態に応じた治療をして、しっかり塗るが大切なのです。

まつい赤ちゃんキッズクリニック 準備中