• 9月 28, 2024

マイコプラズマ感染症について。小児科目線で特徴と治療を解説します。

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

最近は1週間ほど熱が下がらないといったことでご相談に来られる方の中にマイコプラズマ感染症(肺炎)がいます。最近は大流行とネットニュースにもなっていましたね。小児科目線の記事はなかったので、今日はこの解説をしたいと思います。

まず特徴を列挙すると、

①マイコプラズマは細菌に分類されますので抗生剤が効きます。

②治療しないと2週間くらい熱や咳が続きます。

③最近は抗生剤が効きづらいマイコプラズマもいます。治らなければ治療法を再考します。

まずマイコプラズマは細菌に分類されますが性質は少し変わっています。

通常赤ちゃんや乳児期に感染しやすいと考えがちですが、マイコプラズマは6歳以上の学童期に感染しやすい細菌です。小学生や中学生のお子さんが1週間以上熱が下がらず、咳が出ていればマイコプラズマが原因の可能性が高いと思います。

また治療も少し特殊な抗生剤を使用(小児はマクロライド系と言われる抗生剤です)します。一般的な抗生剤では効果がないのが特徴です。

これだけ聞いても一風変わった細菌かと思います。昔は4年に1回の流行でしたので、オリンピック肺炎とも言われていました。何とも特徴的な細菌ですね。

検査は喉(鼻ではありません)を綿棒でこする迅速検査がありますが、検査の感度があまり良くありません。つまりはマイコプラズマに感染していても検査は陰性になることがあります。このため症状を見て、上記特徴があれば臨床的にマイコプラズマと診断することも多いです。

マクロライド系抗生剤を使用すれば2日ほどで解熱するというデータがあります。このため治療を開始して3日目くらいにも熱があれば必ず受診してもらいます。最近はこのマクロライド系抗生剤が効かないようなマイコプラズマも出てきていますし、(詳しくは割愛しますが)自分の免疫そのものが悪さをしている場合もあるからです。 小学生以上の子どもに多いですが、熱と咳が長く続けばマイコプラズマの可能性があります。治療すれば比較的早めに治りますし、治療のセオリーがある疾患です。正しく診断して治療したいと思います。ブログに書いた以外にも様々な特徴がありますので、ご不安なことがあれば、まずは医療機関にご相談ください。

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