• 10月 13, 2024

発達症のお子さんも含め、成功体験は子どもにとって大切です。

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

前回の発達症の模索のやり方について少し書いてみようかと思います。

今回の要点ですが、

①成功体験を増やして自信をつけることが大切です。

②思い込みや決めつけは危険です。その子なりの理由があるかもしれません。

発達症について学習しているとある方が「3日坊主は3日の経験」と言っていたことを思いだします。一般的に3日坊主は悪い意味で使いますが、3日も経験したと思えば成功体験になります。何でもものは言いようですよね。行動を起こすからには良い側面と悪い側面は表裏一体のような気がします。

私は中学校時代にはバスケ部に入部したことがあります。理由はクラスのほとんどがバスケ部に入ったので、単純に友達が欲しくて入部しました。ただバスケットボールのことをよく知らなかったので、スポーツ自体は全く面白くなくて直ぐに辞めてしまいました。この時に直ぐに辞めてと怒られたらきっと失敗体験になっていたかと思いますが、仲の良い友達が出来て良かったねと声をかけてもらえて救われた思い出があります。そのお蔭で次も新しい部活にもチャレンジすることが出来ました。

人は自信がつくと次の行動がしやすくなるのもので、自己肯定感とも言います。失敗しても頑張る子は、きっと昔に頑張れば出来たという成功体験があるお子さんだと思います。どんな形でも良いので、「3日坊主は3日の経験」のように成功体験にすることが模索のコツかと思います。

子どもの行動に対して、大人が決めつけるのはよくありません。発達症を診断する時には正しい知識で、診断をつけたいと思っています。

例えば落ち着きがないといった症状も聞きますが、詳しく聞くと授業中に立ち歩くといったことでした。これは落ち着きがないということなのでしょうか。

外の景色が気になったなど所謂、落ち着きがない時もありますが、授業が分からないから暇だ、逆に授業が簡単すぎて分かるから話が面白くない、視力が悪くて黒板が見えないから前に見に行っていたなど違う理由の時もあります。違う理由の子どもに「落ち着きがない」としてしまうと模索の方向性を間違えてしまうことがあります。何より子どもからの信頼も失います。

なので私は困った行動があると、困った行動そのものよりも行動の前後を見たり、話せそうな子であれば理由を聞いたりしています。こちらが思ってもいないような理由の時もあり、またそれが的を得ている時もあるので驚かされます。

「お父さんが何で怒っているか分かるか」と子どもに聞いたら「イライラしているからでしょ」と返されたことがあります。その通りなので思わず笑ってしまいました。大人も万能ではありません。子どもが反社会的な行動をした時は毅然とした対応が必要ですが、それ以外の望ましくない行動をした時は、子どもと一緒に望ましい行動が出来るように考えたいと思います。

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