- 1月 6, 2025
不登校などお悩みの方へ。今回は起立性調節障害(OD)について解説します。
奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。
あけましておめでとうございます。今年はとうとう開業する年になりました。今年も宜しくお願いします。早速ですが今回は起立性調節障害(OD)について書きます。
①ODは身体疾患ですが、ストレスなどにより症状は悪化します。
②ODは他疾患を除外することも重要です。
まずODは心身症に分類されるために精神的な疾患と勘違いされることも多いですが、ガイドラインからも身体疾患であることが明記されています。気管支喘息はストレスにより悪化するので、ODも似たようなイメージを持たれると良いかと思います。このためODは決して「根性」では良くならず、むしろ悪化することが多いので治療することが重要です。根性で頑張り続けた結果、OD症状が出現しているとも言えるかもしれません。
治療はお薬というイメージを持たれるかもしれませんが、とりあえずは悪化原因=ストレスを除去することから始めます。花粉まみれの中でアレルギー治療をしても良くならないのでマスクを推奨するかと思いますが、ODも同じような感じです。
このストレスが学校にあるかもしれない、人間関係にあるかもしれない、子どもなのでそもそも理由自体が分かっていないかもしれません。医療者として一緒にストレス要因を探すのですが、私の診療では簡単な症状日記を書いてもらっています。片頭痛では頭痛日誌というものを推奨するのですが、同じようなものです。
日記をつけて俯瞰的に見ると、意外な理由だったり、他疾患が隠されていることに気付いたりします。実は生理不順で貧血だったお子さん、授業が分からず苦痛で仕方がなく知的な面があったお子さん、夜の寝る時間が遅く睡眠不足だったお子さんなど様々です。こちらから治療方針を押し付けるようなことはしませんので、ODというある意味便利な病名に飛びつかないで欲しいと思います。
学校に行けない、朝に起きられない、倦怠感が強いなどを検索すると必ずODが出てきます。しかし大切なことは他疾患の可能性も考え、もし本当にODならストレス原因を減らしながら適切な治療を行うことです。頭痛、倦怠感といったお子さん本人の身体症状を緩和し、子ども自身にとってより良い日常生活が送れることを目標にしたいと思います。