• 11月 24, 2025

インフルエンザについて。気を付けるべき点や治療法についてまとめました。

奈良県大和郡山市近鉄九条駅前の小児科「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

インフルエンザが流行してきましたね。2週間ほど前は学校単位やクラス単位で、この学校は流行っているけど、隣の学校は流行っていないみたいな感じでした。ただ先週からその垣根がなくなってきている印象なので、体調管理に気を付けて過ごしましょう。

インスタグラムにも簡単に書いて、皆さんご存知かもしれませんが今日はインフルエンザのお話しです。

今日の内容は、

①インフルエンザもインフルエンザも治療の基本はゆっくり寝て、水分をとることです。

②インフルエンザのお薬は、ウイルスの増殖を抑える効果になります。

③熱性けいれんや熱せん妄などでご不安なことがあれば医療機関へご相談ください。

になります。

【はじめに】

大前提としてインフルエンザもウイルスですから、大きく見れば風邪の1種と考えて間違いありません。このため治療の基本は、①水分をしっかりとって、②ゆっくりして寝ておくことになります。食事はどちらでも構いませんが、水分は塩分や糖分が入っているものを摂るようにしてください。OS-1などの経口補水液と言われるものが推奨されますが、飲みづらいようであればリンゴジュースなどでもOKです!(昔はりんごのすりおろしを風邪の時に食べた思い出があるかもしれません)。

お風呂も熱の上がり際に入ると寒気がして大変ですが、上がりきってしまった時や解熱薬で熱が少し下がった瞬間に入浴するのもOKです。

【治療】

とは言え、インフルエンザは高熱が出ることが多いのでしんどい疾患の1つです。子どもは正直なもので、つらい時に頑張って水分を摂ろうとする子はあまりいなくて、愚図って眠れない子も多いのが現実です。そんな時は少しでも解熱薬で熱を下げてあげて、数時間しか効果がないかもしれませんが、ゆっくり寝て水分を摂るように心がけてください。

インフルエンザのお薬(タミフルなど)は全て、ウイルスの増殖を抑える効果になります。つまりウイルスを殺す効果はないので、増えたウイルスは全てお子さん自身が倒さないといけません。少しでも早く治してあげたいので私自身は抗ウイルス薬は処方することが多いですが、副作用の点などご心配なことがあれば処方は必須ではありませんので、ご家族と相談しながら処方するようにしています。

インフルエンザのお薬は主に3種類あって、

①粉薬(タミフルなど):1日2回(朝夕食後)を5日間内服します。少し苦みがあるのが難点です。

②吸入(イナビルやリレンザ):1日2回(朝夕食後)を5日間吸入するものと、1回吸入すれば罹患中は効果があるものと2種類あります。私は粉薬は嫌いで、錠剤は飲めないといった場合に使います。1回吸入が便利か、上手く吸えないかもしれないので5日間タイプにするか相談しています。

③錠剤 or カプセル(ゾフルーザやタミフル):1回内服すれば罹患中は効果あるものと、1日2回(朝夕食後)を5日間内服するものの2種類あります。

これらの薬をお子さんに応じて処方していますので、受診時にはご相談ください。

【気を付けるべき症状】

インフルエンザは熱性けいれんを起こしやすいウイルスの1つです。熱性けいれんの対応については以前のブログ記事をご参照頂ければ嬉しいです。

また熱せん妄も起こしやすいと言われており、自宅にいると脳炎脳症といった怖い疾患をご不安に思われるご家族も多いかと思います。熱せん妄は高熱が出ると、一過性に訳の分からないことを言ったり、何かが見えるなどの症状を訴えるものです。熱せん妄で重要なのは、一過性ということです。脳炎脳症であれば意識障害が長く続きます。

例えば、夜にこのような症状が出たときはとりあえず、解熱薬を使用したりアイスノンを利用して少しでも熱を下げてください。翌日にケロッと起きてくればまずは熱せん妄で大丈夫かと思います。脳炎脳症であれば起きてご飯を食べてといったことはなく、意識障害が長引きますが、念のため当院受診しご相談頂ければ助かります。

この他にもゼーゼーして呼吸が辛そう、嘔吐が多くなってきて水分が摂れないといった症状があれば早めにご相談して頂くようにお願いします。

最近はインフルエンザ以外にも小学生以降にはマイコプラズマ感染があったり、小さなお子さんは溶連菌や川崎病患者さんもいらっしゃいます。発熱が続くようであれば、インフルエンザ以外に隠れている疾患も考慮しますので、ご相談ください。

2学期はイベントも多くて、子どもたちも疲れがたまってきているかと思います。クリスマスやお正月など楽しいイベントを健康に迎えられるように応援していきたいと考えています。

当院は発熱などの感染者待合と非感染待合を分けています。また事前問診と時間予約により待ち時間の短縮を心がけておりますので、子どもたちの健康のためにも症状が悪化する前にご相談頂けますと幸いです。待合室がご不安な方は車でお待ち頂き、お呼びすることも可能です。ご要望があれば、当院ホームページのお問い合わせからご連絡頂けばお返事させて頂きますので、宜しくお願いします。

まつい赤ちゃんキッズクリニック 0743-85-7250