• 11月 10, 2024

気管支喘息について。診断やなぜ治療するか考えます!

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

今回は気管支喘息について説明しようと思います。
①喘息は発作的に気道が狭くなり、症状を繰り返す疾患です。
②咳が長引く原因は色々ありますが、喘息であれば早期に診断し治療を行うことが大切です。
③治療は発作時の治療と、安定させるための長期治療に分けて考えます。治療は自己中断せずに、適切に行いましょう。

気管支喘息は気道が狭くなり、咳が出たり、息を吐く時にゼーゼーしたり、呼吸が苦しくなってしまう疾患です。何故喘息を発症するかは明確には解明されていませんが、アレルギーや家族歴(家族内に喘息患者さんがいる)など様々な要因があると考えられています。気管支喘息は症状を繰り返すことが特徴なので、1回目のゼーゼーでは診断しない(出来ない)ことが多いかと思います。よく「喘息の気がある」と言われるのは、風邪をひいた時などにゼーゼーしているけど、また今後繰り返さないか注意してみましょうねということです。

気道も広がったり狭くなったりしているのですが、気管支喘息は気道が狭くなっている状態です。喘息発作を繰り返すと気道が狭くなっている状態が続いていますので、段々と気道が広がりにくくなってきてしまいます。気道が狭いことが癖になってしまっているということです。このために、気管支喘息と診断されれば早めに治療を行い、長期間安定させ、気道を広く保っておくことが重要なのです。
前回のブログにも書いたように長引く咳には色々原因がありますが、気管支喘息の特徴としては、息を吐く時にゼーゼーする、夜間や朝方に多い、運動や笑ったりなど大きく呼吸をした時に症状が出やすいなどがあります。
乳幼児では体のサイズが小さいので、もともと気道が細くて喘息との区別が難しい場合があります。先ほどの特徴があったとしても自己判断をせずに、必ず小児科にご相談頂きたいと思います。

治療で長期間安定させるための治療は、私はガイドライン(学会から提唱されている治療指針です)をベースにして行っています。このガイドラインではステップ治療と呼ばれるものがあり、発作の重症度に応じてどれくらいの長期治療が必要か目安を定めてくれています。またこれくらい症状が安定していれば治療を止めて良いか、逆に治療を強めた方が良いかなど、評価基準もあります。気道が狭いかは実際に目で見えるものではないので、日々の評価方法も大切です。私は患者さん一人一人によって治療法も選択し、状態を判断しますが、独りよがりにならずに一定した基準を持ちながら治療を行いたいと考えています。なので症状が良くなったら治療を直ぐに中止してしまいたくなりますが、(ご都合もあり大変かと思いながらも)しばらく通院して頂ければ助かります。

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