• 12月 1, 2024

てんかんについて。痛い検査もしないので、気になることがあればご相談ください。

奈良県大和郡山市に小児科開業予定「まつい赤ちゃんキッズクリニック」院長の松井潤です。

赤ちゃんの時に寝入りばなにピクッとなるようなことはあるかと思います、ネットで検索すると、kの症状はてんかん発作で、読むと不安になることも書いてあるかと思います。そこで今回はてんかんについて説明したいと思います。

①てんかんを疑う時は、通常熱がない時です。

②気になる症状があれば、動画撮影して頂けると診断に有用です。

③てんかんの診断と治療には脳波検査が必要です。脳波は痛くない検査です。

まず初めにてんかんは、脳から異常な電気信号が出ることで様々な症状が引き起こされる疾患です。我々は脳から手を動かせ!という電気信号が出て、脊髄に伝わり・・・といったようにして手足を動かしています。てんかん患者さんは脳から異常な電気信号が出て、けいれんしたり、ボーっとしたりと自分が意図しない症状が出てしまいます。てんかんの治療は主にお薬で、この不都合な電気信号が広がらないようにします。

てんかんの有病率は100人に1人(日本で100万人の患者さん)とされていますので、よく診る疾患の1つです。このため養育者の疾患の不安さだけが大きくなり、子どもに不要な制限がかかると良くないので、医療者だけでなく子どもに関わる方にはてんかんについて知っておいてほしいと思います。

以前のブログで熱性けいれんについて書きましたが、熱性けいれんと区別する疾患は脳炎脳症や髄膜炎といった疾患です。てんかんではないのです。基本的に熱があってけいれんする疾患は熱性けいれんですので、てんかんの精査は不要とされています。逆に言えば、てんかんを疑うときは「無熱性」にけいれんなどの症状が出た時は、頻度的にも積極的に疑う疾患になります。

てんかんの診断は、1)症状(発作型と言います)と、2)脳波検査で行います。大切なのはこの2つです。てんかんという診断は非常に大きなくくりで、風邪の中にも胃腸炎や肺炎、インフルエンザと色々あるように、てんかんの中にも分類があります。このてんかん分類をすることで治療方法や今後の見通しについてお話しすることが出来ます。画像検査などは補助的に使う時がありますが、診断そのものにはあまり影響しません。

脳は様々な機能を持っているので、てんかん発作はけいれんするもの、ボーっとだけするもの、耳鳴りだけするもの、お腹が痛くなるだけのものまで様々です。なので、この症状が気になるなっていうものがあれば、やはり動画を撮って頂けると助かります。一言にけいれんといっても、どんなけいれんかで分類が変わる時があるのでお願いします。

もうひとつ診断に大切なのは脳波検査です。心電図の脳バージョンみたいなもので、全く痛くない検査です。検査時間が30分程度かかるのがネックですが、検査中に本を読んだりなど安静な遊びはしていても大丈夫です。脳波は血液検査と違い痛くない検査なので、てんかんを疑えば、ためらわずに検査をすれば良いと思っています。 インターネットでてんかんと調べるとなんだか怖くなったりもしますが、先ほども述べたようにてんかんは非常に大きなくくりです。放っておいて日常生活にドキドキする方が問題なので、しっかり診断をして見通しを聞いて頂くことが大切です。

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