便秘症について

便秘は、実は子どもによくみられる症状です。便意から排泄までの一連の排便機能は複雑で、赤ちゃんの頃は育っておらず、おむつはずれに向かって次第に発達していきます。子どもは便意があっても遊びを優先してしまうこともあるかと思います。大人と同様のレベルになるのは小学校高学年頃と言われており、子どもが排便機能になんらかの問題が起きるのは、ある意味当然のこととも言えます。大切なのは、子どもの気持ちを理解して排便機能がしっかりと育つようにサポートしていくことです。
子どもの排便が定期的にあっても、どのくらいの量が出れば適切かは分かりません。子どもの排便回数が少ないのはもちろんですが、便を出す時に痛がる、コロコロのウサギの糞のような便が出る、お腹が張って不機嫌などの症状は便秘の可能性があります。
便秘症の治療
便秘の薬や浣腸は癖になってしまうのでは?という不安を持ってらっしゃるご家族も多いですが、適切なお薬で用法を守って治療を行えば癖になることはありません。むしろ、便秘を放置してしまうと、腸はよりうんちを溜めやすい状態になってしまい癖になってしまい改善することが難しくなってしまいます。つまり便秘症の治療は、緩下剤や浣腸などの薬を適切に使って、癖になってしまわないように早期から排便を助けてあげることが重要です。
しかし、例えば学童期に治療としてうんちを緩くすることに注力してしまい、学校で漏らしてしまったり、冷やかされたなどがあっては、結局は排便習慣に繋がらず治療の意味がありません。本来排便することはすっきりして気持ちの良いものなので、当院の便秘治療はうんちを緩くすることではなく、子どもに排便習慣をつけてもらえるようにサポートしていくことを大切にしています。
2~4歳の幼児期に慢性的な便秘になると、食欲が落ち、栄養が十分に摂れないなどして、ほかの機能の成長や発達にも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。また便秘症は、その程度によって長期にわたる治療が必要となる場合もあります。子どもの排便について、不安な点や疑問点などがありましたら遠慮なくご相談ください。
夜尿症について
一般的に夜、寝ている時に出てしまうおしっこが「おねしょ」と言われます。小学校に上がるくらいまで「おねしょ」がみられると、不安に思われる保護者の方も多いと思います。5歳を超えて、この「おねしょ」が、1週間に1回以上続く場合、「夜尿症がある」とされます。
夜尿症は5歳で15~20%、10歳で5~10%、15歳で1~2%ほどに見られ、成人後も約0.5%、つまり200人に1人は夜尿症が残っているとされます。基本的に夜尿の回数は成長するにしたがって減っていくものですが、夜尿があることによって子どもの自己肯定感が低下してしまったりすることは避けたいと考えています。宿泊行事など社会的な問題が出てくることもあります。
夜尿症の治療
夜尿の治療は生活習慣、アラーム療法、薬剤といった治療がありますが、当院では子ども自身の「治したい」という気持ちも大切にして、ご家族とともに治療をすすめていきます。子ども自身やご家族が夜尿を治療したいなと思うことがあれば、まずはご相談して頂ければ嬉しく思います。また医師と話すことで安心できることもありますので、一度お気軽にご相談ください。